名フィル定期(第385回)

先週末は、土曜日が名フィル定期、日曜日がMETライブ・ビューイングと盛りだくさんでしたが、先ずはコンサートから・・・

テーマは「愛の渇望」
プログラムは
ムソルグスキー:歌劇《ホヴァンシチナ》前奏曲
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
コダーイ:組曲《ハーリ・ヤーノシュ》
バルトーク:バレエ《中国の不思議な役人》組曲
ヴァイオリン独奏:アリーナ・イブラギモヴァ
指揮:ゴロー・ベルク

指揮者はドイツ人ですが、ソリストはロシア人、プログラムはロシア/旧ソ連、ハンガリーの作曲家による作品という組み合わせ.おもしろい組み合わせですが、オケのコンサートとしてはヴァイオリン協奏曲以外は非常に珍しい曲ばかりです.

3曲目の《ハーリ・ヤーノシュ》は一部が吹奏楽版に編曲されていて、コンクールの自由曲などで演奏されることもあるので知っている方もいるかもしれません.「どこの国の曲?」と思うくらい不思議な感じの曲です.農民のほら吹き話を元にした劇音楽のためにつくられた音楽をまとめ直したもの.

コダーイは1882年生まれ、1967年に亡くなっていますので、「現代音楽」に分類してもいいのですが、ハンガリーの主要民族であるマジャール人の民謡などを収集して、自らの作曲に生かしたりしていました.日本の民謡などにある5音音階(いわゆるヨナ抜き音階)ということもあり、何となく懐かしさのようなものを感じさせます.
管楽器が大活躍しますが、木管楽器のソロはすばらしく、聴き応えがありました.

6つの小曲からなる組曲ですが、このうちの2つに「ツィンバロン」という楽器が使われています.ハンガリーの民族楽器で協奏曲のように活躍します.今回のお目当てはこれでした(^_^)b ピアノのように音階順に金属の弦(太めの針金?)が張ってあり、これをばちで叩いて音を出します.ピアノの原型ともいわれていますが、国内で演奏できる人はほとんどいないようで、崎村潤子さんという方がソロを受け持っていました.
ややオケの元気がよすぎて、私の席では聴き取れないときもありましたが、生で聴けて感激しました.

以前ブダペストに行ったときに、入ったレストランでツィンバロンとヴァイオリンなどでやったライブを聴いたことがあるのですが、それ以来です.

この日の2曲目、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲は聴くにも弾くにも(たぶん)難曲(^_^;.しかし、始まったとたんソリストに会場中が引き込まれているようでした.髪を振り乱して激しく身体全体でひいているかと思えば、緩徐な部分では会場からは物音一つたたないくらいの集中力を発し、全体で40分近い曲ですが、あっという間に演奏が終わってしまった感じでした.
これまでいろんなソリストを聴いてきましたが、終了後の拍手は、今回が最も大きく、長かったのではないでしょうか.
ソリストは1985年生まれとのことで、終わってからパンフレットを見て(・o・)でした.

協奏曲のあとは、ソリストのアンコール、普通は一人で(オケの伴奏のない曲を)演奏します.これだけの大曲のあとではさすがにないだろうと思っていたら、なんとバッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタの一部を演奏してくれました.まるっきり正反対の雰囲気を持った曲ですが、演奏だけではなく、選曲のセンスもさすがです.

この日のメインはコダーイと同じハンガリーの作曲家バルトーク.年もほとんど同じですが、作風は全く異なります.今回の曲は本来は「パントマイム」のための付随音楽の一部を演奏会用の組曲にまとめたもの.奇想天外な物語で、組曲として聴くかぎり、話の筋を追いながら聴かなくても十分に楽しめそうにくまれています.
これも管楽器、特にクラリネットが大活躍します.見事なソロで、終了後は大きな拍手を受けていました.
元々のバレエ(パントマイム)は、今年のサイトウ・キネン・フェスティバルで上演されていて、少し前にNHKで放送されました.

次回の定期演奏会は12月の最初の週末で、ブルックナー:交響曲第7番.ブルックナーの曲の中では一番好きな曲です.