カルテット

今、『カルテット 〜人生はオペラハウス』という映画がロードショー中です.

名優・ダスティン・ホフマンの初監督作品で、もともとは戯曲として書かれていたものを、「戦場のピアノスト」と同じ人が脚本化した作品.映画の舞台は引退した音楽家のための養老院。運営資金を稼ぐためのコンサートにむけた準備中に、かつてのスター歌手が入所してくるところから始まります.主演の4人はイギリスの有名は俳優ばかりだそうですが、何よりびっくりしたのは、養老院の入所者として登場していた「かつての音楽家たち」が本当に「かつての音楽家たち」であること。従って、演奏は実際に彼ら、彼女らがその場でやっているものだったこと。演奏にも、演技にもリアリティがあります。

映画の中では、彼らの演奏だけでなく、随所に名曲がちりばめられていて、これだけでも十分に楽しめました.

映画の題名「カルテット」とは、四重奏、または四重唱を指して使われる語ですが、ここではヴェルディ作曲のオペラ《リゴレット》の中で歌われる『美しい乙女よ(原題:Bella figlia dell'amore)』というソプラノ、メゾソプラノ、テノール、バリトンによる四重唱を、特にさしています。この曲は、映画のクライマックスと同時にエンディングとして用いられています.オペラ史上最も美しい四重唱といわれる曲ですが、ここでの演奏は、映画の出演者によるのではなく、ソプラノ:ジョーン・サザーランド、テノール:ルチアーノ・パヴァロッティ他による名演・名盤です.


引退した音楽家のための養老院、映画ではロンドン郊外にある『ビーチャム・ハウス』という名称でした。ビーチャムは実在のイギリスの作曲家。イギリスにこのような施設があるかどうかは知らないのですが、イタリア・ミラノには実在します。日本語では『音楽家の憩いの家』と呼ばれていて、ヴェルディが亡くなる直前、つまり今から100年以上前に私財を投じて作った施設です。現在も運営されていて、ヴェルディ曰く、「私の最高傑作」とのこと。

今年はイタリア・オペラの巨匠、ジョゼッペ・ヴェルディの生誕200年。ベルナールと同い年ということになりますが、イヴェントや関連本の出版が相次いでいます。この映画は昨年製作されたイギリスの映画ですが、メモリアルを意識して作られています。映画はコンサートの場面で終わるのですが、その始まりに観客たちがヴェルディの有名な肖像画をバックに記念撮影をしています.

名古屋・伏見の『ミリオン座』でやっています.