カティア・ブニアティシヴィリ ピアノリサイタル

 少し時間がたってしまったのですが、11月5日、名古屋・伏見のしらかわホールでジョージア出身の若手ピアニスト、カティア・ブニアティシヴィリのリサイタルがありました。ジョージアは以前はグルジアと呼ばれていて、旧ソ連の一部だった国でトルコのすぐ北にある黒海に面した国です。

 プログラムは

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調《熱情》
リスト:ドン・ジョヴァンニの回想
〈休憩〉
チャイコフスキー:演奏会用組曲「くるみ割り人形」
ショパン:バラード第4番
リスト:スペイン狂詩曲
リスト:ハンガリー狂詩曲第2番

 10年ほど前から国際的に活躍し始めているようで、数年前から注目をしていたピアニストです。日本国内でもNHK交響楽団との協演を初め、何度かコンサートを開いているようですし、CDを5,6枚出しています。年間150公演をこなすそうですが、その容姿もさることながら、ダイナミックな演奏に圧倒されました。

 1曲目の《熱情》も、題名の通りの熱い演奏でしたが、静かなフレーズが続く第2楽章では高い緊張感を維持しながら聴衆の耳を引きつける表現力がありました。

 彼女のファースト・アルバムもリストの曲集です。最も得意とする作曲家のようで、今回のプログラムはリストが中心です。中でもベートーヴェンに次いで演奏された「ドン・ジョヴァンニの回想」は、モーツァルトの歌劇「ドン・ジョバンニ」のフレーズをちりばめながら、ピアノの超絶技巧をこれでもかと見せつけるような曲。さぞ難曲だろうと思います。今回初めて聴きましたが、ピアノが壊れてしまわないかと思うほどのカティアの圧倒的なパワー、人間業とは思えないくらい指が速く複雑に動くテクニックにただ呆然とするばかりでした。

 後半の最初に演奏された曲は、よく知られたチャイコフスキーのバレエ音楽の中から有名な7曲をピアノようにアレンジされたもの。以前名フィルの定期でもひいたプレトニョフ(ここを参考にして下さい)による編曲版。プレトニョフ自身が高い技術の持ち主だけに、高度な技術を要求されるようです。コンサートではあまり取り上げられることがないそうですが、カティア得意のレパートリーだそうで、頻繁に取り上げているようです。ピアノという1つの楽器でありながらも、様々な音色を感じ、さらにダイナミックで、響きに奥行きがあり、まるでオーケストラの演奏を聴いているようでした。

 さらに、ショパン、リストと技術的にも難易度の高い曲が並び、最後は改めてパワーを見せつけるようなダイナミックな演奏で締めくくられました。

 アンコールは何と4曲もあり
ドビュッシー:月の光
リスト:メフィストワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」
ヘンデル:鍵盤楽器のための組曲第1番からメヌエット
ショパン:24の前奏曲よりホ短調
でした。
 時間さえあれば、さらに何曲でも引いてくれそうな、とにかくピアノを弾くのが楽しくてしょうがないというように見えました。

 終演後は疲れた様子も見せず、演奏とは打って変わって、にこやかにサイン会。1人1人に優しく声もかけてくれ、握手をしながら写真撮影。
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 コンサートは薄いピンクのロングドレスで、かなり妖艶でしたが、サイン会もすてきなドレス(と、超のつくハイヒール)でした。