リヒャルト・シュトラウス:歌劇《ばらの騎士》

 先週日曜日には私の最も好きなオペラ、《ばらの騎士》を観に行きました。名古屋・栄の愛知県立芸術劇場大ホールでの公演です。

 日本にはヨーロッパのような本格的な歌劇場はありませんが、オペラのための歌手の団体はあります。今回の主催は二期会という東京を中心にした団体です。7月に東京で上演され、10月28,29日に名古屋、さらに11月5日には大分でもほぼ同じ配役で上演されます。

 今年6月のMETライブビューイング《ばらの騎士》でも紹介しました。ストーリーは(
2010年0203METライブビューイング《ばらの騎士》)を見て下さい。今回の配役は、
 今回の配役は
元帥夫人:森谷真理
オクタヴィアン:澤村翔子
ゾフィー:山口清子
オックス男爵:大塚博章
合唱:二期会合唱団
管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団
指揮:ラルフ・ワイケルト
です。

 オペラの上演はオーケストラの演奏会と違い、大道具、小道具、衣装の作製から演技と制作は大がかりです。当然費用が掛かりますから、単独で企画するのはたいへんのようです。今回はイギリスのグラインドボーン音楽祭という国際的にも有名なオペラのイベントとの提携公演で、基本的な道具類は全部イギリスから持ってきているようです。グラインドボーンでの映像を見て比較してみたいものです。

 オーケストラはしっかりと鳴っていて、メリハリもあってわかりやすい演奏でした。三幕併せて3時間余に及ぶ演奏は、最後のややスタミナ切れを感じるところもありましたが、
指揮者はドイツ国内を初めとしてオペラをよく振っているようで、オケをうまくリードして歌手ともよく合わせていたと思います。歌手陣はいずれもよく通る声でしたが、速いパッセージになるとやや聴き取りにくいところが目立ちました。日本人はこういうところがやや苦手のようです。ただ、オックス男爵は演出的には事実上の主役といっていい役どころで、大塚の低音は聴き応えがありました。

 《ばらの騎士》は私が最も好きなオペラです。悲劇ではないため誰も死ぬことがなく、かと言って楽しいばかりの喜劇でもない。主役級が4人いて、それぞれにほろ苦さを味わいながらも最後は丸くおさまり、演出によっていろんな見方ができるところが醍醐味です。

今回の《ばらの騎士》の公演はキャストを変えて2日連続で行われました。名古屋でこのように同じ演目を2日連続で上演されるのは、国内の団体の公演でも海外の歌劇場の引っ越し公演でも初めてかもしれません。実はお客さんが入るのかどうか心配しておりましたが、案の定、日曜日はがらがらでした。土曜日がどうだったかは分かりませんが、やはり無理があったようです。正直言って、気をそがれました。これからはもう少し考えてほしいものです。

 さて、しばらくは生のオペラを見る機会はありません。その代わりではありませんが、以前に紹介したような生の舞台の録画を映画館で楽しむことができます。世界中のいくつかの歌劇場が取り組んでいますが、最も成功しているのがニューヨークのメトロポリタン歌劇場の「METライブビューイング」です。日本では松竹が配信していますが、今年も11月中旬から上映が始まります。HPはここ(
http://www.shochiku.co.jp/met/)です。興味のある方は是非ご覧下さい。