名フィル定期(第387回):尾高・マーラー6番

試験勉強で大変な時期で誰もみてくれないでしょうが、忘れないうちに先週の名フィル定期の感想をまとめておきます.

今回は
「運命の一撃に死す」
と題して
マーラー:交響曲第6番
指揮は尾高忠明

演奏時間90分近い大曲で、休憩なしの1曲プログラム.先月に続きheavyな1日でした.
尾高が振るマーラーということで、今年度の演奏会の中で最も注目していたプログラムです.期待に違わぬ名演(^o^)、あっという間の90分でした.

マーラーは一昨年が生誕150年、昨年が没後100年.19世紀後半から20世紀初め、つまりいわゆる「世紀末」に活躍した作曲家.したがって、マーラーの音楽には退廃的というか、厭世的というか、あるいは常に「死」を意識しているかのような何ともいえない雰囲気があります.映画「ヴェニスに死す」にはマーラーの交響曲第5番の第4楽章が使われていて、独特の雰囲気をつくっていますが、今回の第9番でも第2楽章が同じような曲想です.

マーラーの曲は古典的な曲に比べると決して口ずさめるようなメロディーがあるわけではありません.同時に響いている音の数、種類が多いために、非常に複雑にきこえます.また、管楽器が分厚いので音量も大きく、私も聴き始めた頃は全く曲の中に入っていけませんでした.いまだになじめないところが多く、今回も予習がてらCDを聴いていただけでは(^_^;でしたが、生で聴いてみて、すこし感じ方が変わりました.

マーラーの交響曲には声楽附きの曲や楽章構成が複雑な曲も多いのですが、第6番は純器楽曲、典型的な4楽章構成.オケの音に集中できるということもありますが、岩城の指揮はじめじめ/どろどろしたところがなく、非常にすっきりとまとめ上げています.輪郭がハッキリしているので、聴き所がハッキリしていて、すっーと耳に入ってきます.こういう演奏であれば他の声楽附きの曲も是非聴いてみたいと思います.

さて、今回のテーマにある「一撃」ですが、第4楽章に「ハンマー」が使われているところからつけられているのでしょう.本物のハンマーです.ちょうど杭を打つときに使うような大型の木槌.相当しっかりつくられているのであろう共鳴箱にたたきつけて鳴らします.これまでどんな曲、演奏でも聴いたことがないようなとてつもなく大きな音がしました.

驚く人も多いでしょうが、作曲家は「新しい音」、「新しい響き」を取り入れていきます.現在のオーケストラの編成、あるいはあらゆる音楽のアンサンブルの形態もこうしたチャレンジの結果作り上げられてきたものです.
ハンマーなど見た目にはただただ(・o・)ですが、実際に聴いてみるといかに効果的であるのかがよくわかりました.