名フィル定期(第368回)

オーケストラの年度(演奏会のシーズン)の区切りはいろいろです.何事も9月あるいは10月始まりの欧米では、オーケストラのシーズンも9月〜6月というケースが多いようですが、日本では1月始まりだったり、4月始まりだったりします.

名フィルのシーズンは4月〜3月.ということで、新しいシーズンがはじまりました.今年度のテーマは『都市と音楽』.いろんな街にちなんだ音楽を集めて、得意とする指揮者やソリストによるプログラムが組まれています.

第1回目となる今月は先週《プラハ》をテーマに、
スメタナ作曲:連作交響詩『わが祖国』
指揮者は、この曲を十八番にし、実際に本場チェコ・フィルとCDやDVDも出している小林研一郎(通称”コバケン”、名フィル桂冠指揮者)でした.

予習にコバケン/チェコ・フィルのCDとDVDをしっかり聴きすぎたせいか、ちょっと全体に荒いかなという印象を持ってしまいました.とは言っても、後半はさすがに迫力満点で、十分聴き応えのある演奏会でした.

交響詩(英語ではsymphonic poemと言います)というのは、作曲者の意図する何らかのテーマ、タイトルがあって、その内容を音楽で表現するような曲を言います.形式は比較的自由で、特にソナタとかロンドとかの縛りはないようです.
スメタナは1824年に生まれて、1884年に亡くなっていますが、交響詩はまさに19世紀半ば以降に盛んにつくられていて、人間の感情表現を重視するロマン派特有のスタイル.リストによって完成されました(来年がリストの生誕200年です)

この「わが祖国」はチェコの国民的な作曲家であるスメタナ(チェコ語で「生クリーム」という意味だそうです)が1879年に完成させた曲.連作交響詩とありますが、全部で6曲からなり、2曲目が有名な「モルダウ」です.それぞれのタイトルは、
第1曲:ヴィシェフラド(「高い城」とも訳されます)
第2曲:ヴルタヴァ(チェコ中央を流れる河の名前、ドイツ語で「モルダウ」、チェコ語で「ヴルタヴァ」)
第3曲:シャールカ(プラハ北方の谷の名前)
第4曲:ボヘミアの森と草原から
第5曲:ターボル
第6曲:ブラニーク(ターボルとブラニークはいずれも地名で、チェコ独自の宗教改革の指導者グループにちなんだ土地)
6曲全部で約80分.第3曲と第4曲の間で休憩を入れて、全体で2時間弱のコンサートでした.

ちょうどフィンランドの人たちにとっての「フィンランディア」のように、チェコの人々にとっては第2の国歌とも言うべき重要な曲です.当時のチェコはオーストリアに支配され、母国語であるチェコ語も公式には話せないよう状態でした.そんな中で民族自決の動きが芽生え始め、音楽家の中にもドイツ、オーストリアに対する強い対抗意識が生まれていた時期に作曲されました.

この曲で取り上げられているテーマは、チェコの過去の英雄や(当時の)現代に近いチェコの人々の民族的な運動や生き様であり、作曲者自身の民族意識が強く打ち出されています.単に「祖国」ではなく「わが祖国」であるところが重要で、スメタナ自身の強い気持ちが表れています.現在では、チェコの人々、一人一人あるいは民族全体にとっての『わが』であるのかもしれません.

さて、音楽と演奏ですが、有名な第2曲「ヴルタヴァ」は12〜3分の曲.小川のせせらぎを現るフルートのソロからはじまり、途中でせせらぎに落ちる水滴を弦楽器のピッチカートが表現します.その後、徐々に楽器の数が増える=川の流れがしだいに大きくなり、有名なメロディーが奏でられます.中学校の音楽の教科書などでは「ボヘミアの川よ、モルダウよ、〜」というような歌詞のついた曲が出ていますが、あのメロディーです.途中には急流があり、あるいは農村の風景を横に見ながら流れていく様子が描かれます.最後に大河となってエルベ川に合流するまで壮大に歌い上げます.
プラハの街の写真や映像を見たことのある方はわかると思いますが、街の中心を流れているのがこのヴルタヴァ川、カレル橋という有名な橋が架かっていて、そのたもとにスメタナの銅像と記念館があります.

スメタナはBedrich Smetana(ベドルジーハ・スメタナ、チェコ語なので英語のアルファベットとはちょっと違って、本当はrの上にアクセント記号のような点がつきます)と言いますが、この自分の名前の頭文字であるBとSから音名をとってB=ドイツ音名のB;べー=変ロ音(シのフラット)とS=ドイツ音名のEs;エス=変ホ音(ミのフラット)を並べたモチーフ(断片的な音型)が、第1曲の冒頭を始め随所に出てきます.ちょっとした遊びなのですが、曲全体のテーマに自分の気持ちを重ねていると言うことなのでしょう.

長くなってしまいましたので、今日はこの辺で失礼します.来月は常任指揮者のティエリ−・フィッシャーの指揮で、ショスタコーヴィチの交響曲第5番、ラヴェルのピアノ協奏曲です.ピアノソロはこの春高校を卒業したばかり(?)の北村朋幹です.(
名フィルのHPはここ

アイネ・クライネ・ナハトムジーク

モーツァルトの名曲です.題名は知らなくても、この曲を聴いたことのない方はいないと思います.YouTubeで「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」と入れて検索してみてください.たくさんヒットします.

この曲は弦楽器だけの曲ですが、セレナーデというジャンルに属し、いろんな人数編成で演奏されます.曲名はドイツ語で
Eine kleine nachtmusik、「ある一つの小さな夜の音楽」(小夜曲ーさよきょくといいますが)
晩餐のBGMなどのために作られた曲だと考えられます.

さて、この曲をいきなり取り上げたのは、昨日放送のNHK「名曲探偵アマデウス」のテーマだったからですが、このブログを見て??と思った1年生の皆さんにもなにかのきっかけになればと思いついたからです(^^)/

ちょっと前に、ショパンの「葬送」を取り上げましたが、クラシック音楽をテーマにしたヴァラエティ番組.クラシック音楽とバラエティというと相容れないように感じる方もいるかもしれませんが、正直おもしろいです.(^_^)b
毎週(ではないのですが)月曜日の夜7時から、NHK high visionで放送されます.その後BS2や教育テレビで何度が再放送があるようです.
HPはここですので、一度のぞいてみてください.

また、金曜日の夜10時25分から教育テレビで「愛の劇場」という番組をやっています.昨年末に2回ふりのような番組があったのですが、この4月から定期でやるようです.オペラや歌舞伎のストーリーを紹介しながら、そこで描かれている恋愛劇を読み解いていく(?)構成です.まだ2回しかやってませんが、取り上げられたオペラは
ヴェルディ:椿姫
プッチーニ:ラ・ボエーム

今週が
プッチーニ:トゥーランドット
です.トリノオリンピックで荒川静香が使った曲です.
(来週が、R.シュトラウスの「ばらの騎士」)わたしにとっては「教育テレビ」とは思えないおもしろさだと思います.興味のある方はぜひご覧ください.
HPはここです.

ちなみに、この番組の後に「芸術劇場」という番組がありますが、今週は同じくプッチーニの名作「トスカ」です.これまた昼メロのような「ドロドロ」したお話.夜遅いですが、時間のある方はぜひ!

やっぱり生はいいですね

授業は明日からなのですが、昨日、もうけもののチケットでちょっとしたコンサートに行ってきました.

2月の宗次ホールでのコンサート(ここ)で、アンケートに回答したら、コンサートのチケットがただでもらえてしまいました.このホールは殆ど毎日何らかのコンサートをやっていて、その中に「ランチタイムコンサート」という、お昼時に1時間ほどの短いコンサートがいくつかあります.この「ランチタイムコンサート」のチケット(¥1,000)が5枚ももらえてしまいました\(^O^)/

で、添付されていたチラシを見たら、ソプラノとピアノ、そしてコントラバスという一風変わった編成のコンサートがあり、曲目が春らしく楽しそうなので、のぞいてみました.

コントラバスはセントラル愛知交響楽団の団員の榊原さん(もちろん、面識はありません)で、奥さんがピアノ、ソプラノを歌った盛かおるさんという方が結構いい声でした.愛知万博の会場でもよく歌われていたようです.ソプラノの中でも、コロラテューラ・ソプラノでしょうか、高音にもかなりの迫力がありました.ちょっと席が前過ぎて、聴覚がオーバーフロー気味でしたが、やっぱり生はいいですね(^_^)

ちなみに、演奏された主な曲目は、
ドビュッシー:星の夜
フォーレ:夢の後で(かなり有名な曲なので、どこかで耳にした方も多いと思います)
越谷達之助/石川啄木:初恋
團伊玖磨/木下順二:オペラ「夕鶴」から、”わたしの与ひょう”、”さよなら” (「鶴の恩返し」を題材にしたオペラです)
ヨハン・シュトラウスⅡ:春の声(同名のワルツに歌詞をつけた曲ですが、このワルツも必ず一度は聴いたことがあると思います)

宗次ホールのオーナー(宗次徳二さん)は「CoCo壱番屋」の創業者です.必ずホールの入り口で出迎えてくれます(HPはここ