オンラインで視聴できるコンサート2

 すでに始まっているもの、あるいは1回だけしか配信されないものも含めて、目についたところをまとめました。勉強の合間、家事や子育ての合間にお楽しみください。

  ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場がネット上でスター歌手40人超えの特別ガラ・コンサートhttps://m-festival.biz/13151

  アテネ発 〓 ギリシャ国立オペラもストリーミング配信を開始https://m-festival.biz/13097

  ベルガモ発 〓 ドニゼッティ・オペラ・フェスティバルがネット上で特別ガラ・コンサート、投稿でドレスアップ度コンテストもhttps://m-festival.biz/13265

  ウィーン発 〓 ウィーン国立歌劇場が4月後半のストリーミング配信のラインナップを発表https://m-festival.biz/13074


  ニューヨーク・フィルがネット上で「マーラー・デジタル・フェスティバル」https://m-festival.biz/13195

  モスクワ発 〓 ボリショイ劇場が過去の公演をYouTubeで配信https://m-festival.biz/13180

  ローマ発 〓 ローマ歌劇場がストリーミング配信のラインナップを発表https://m-festival.biz/13163

ベートーヴェン交響曲第7番

 今日は本来は名フィルの2020-2021シーズン(https://www.nagoya-phil.or.jp/concerts_regular)のオープニングを飾る定期演奏会に予定でしたが、中止となってしまいました。エド・テ・ワールトという、名指揮者が振ってくれる予定でもあり、大いに楽しみにしていただけに残念です。

 今年は、作曲家であるベートーヴェンの生誕250年にあたり、名フィル定期は『Tribute to BEETHOVEN』と題して、ベートーヴェンの作曲した管弦楽曲や、縁の曲が取り上げられる予定です。

 ベートーヴェンは、177012月に当時のケルン大司教領に含まれたボンで生まれました。行ったことはありませんが、生家が今も残り、博物館として公開されています(https://www.beethoven.de)。祖父、父がともに大司教の宮廷音楽家。特に、祖父は宮廷楽長まで務めたとか。父親による英才教育を受け、幼少期から才能を発揮し、21歳の終わり頃にウィーンへ出てピアニスト兼作曲家として活躍します。20代後半から難聴が悪化し始め、一時は自殺も考えますが、立ち直り、以後作曲家として傑作をつくり続けます。交響曲第3番『英雄』、第5番(通称『運命』)、第6番『田園』、ピアノ協奏曲第5番(通称『皇帝』)、ピアノ・ソナタ第8番『悲愴』、第14番(通称『月光』)、第23番『熱情』など、有名曲を上げ出すときりがありません。この他に、ロマンス第2番(https://www.youtube.com/watch?v=Jf2J0ykoW2A)やピアノと管楽器のための五重奏曲(https://www.youtube.com/watch?v=EbBOB5ChC-0)、ヴァイオリン・ソナタ第5番『春』(https://www.youtube.com/watch?v=kwvfCR2DXxI)などは、よく知られた肖像画からは想像できない愛らしい曲です。

 さて、4月の定期は《冗談》という、彼のイメージとは全く相容れないようなテーマ。プログラムは
  ジョン・アダムズ:主席は踊るーー管弦楽のためのフォックストロット
  ジョン・アダムズ:アブソリュート・ジェストーー弦楽四重奏と管弦楽のための
  ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92
   弦楽四重奏:アタッカ・カルテット
   指揮:エド・デ・ワールト
の予定でした。

 ジョン・アダムスは現代の作曲家、“Jest“とは冗談、悪ふざけという意味で、ベートーヴェンの様々な楽曲のモティーフを取り込んだ曲です。全体の雰囲気は表題の通り、ちょっとふざけているようにも聴こえます。もちろん、茶化しているわけではなく、最大限のリスペクトをはれってアレンジしているのです。シーズン開幕にふさわしい1曲!となるはずでした。
私のコレクションは
 ピーター・ウンジャン指揮のロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団とドーリック弦楽四重奏団によるCD(CHSA5199)です。

 そして、メインは、
  ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92
です。きっと一部は誰もが耳にしたことがある曲です。特に、第1楽章第1主題がドラマ《のだめカンタービレ》のオープニングで使われていました。
 作曲されたのは1811年から翌年にかけて。ベートーベンが41歳の時。交響曲第3番で、彼以前のハイドンやモーツァルトの交響曲のスタイルを打ち破り、第5番、第6番で19世紀のロマン派への道を切り開くような独自のスタイルを確立したのち、むしろ回帰するように典型的な楽器編成と4楽章構成で作曲されています。しかし、全体は後に「舞踏の権化(または聖化);Apotheose des Tanzes」と評された(ワーグナー)ように、全曲に渡ってリズムが活用されています。出現するリズムとメロディーがいずれも印象的です。

 今回のコンサートで演奏されるはずであったアダムズの『アブソリュート・ジェスト』がそうであるように、有名な曲や印象的なリズム、メロディは後に様々な引用されたり、パスティーシュされたりします。交響曲第7番の場合には第2楽章がよく使われます。単純なリズムとほとんど音程が変化しないメロディーは、誰でも思いつきそうなだけに利用しやすいのでしょう。ベートーヴェンの音楽の特徴の一つは主題労作または動機労作と呼ばれる手法で、一つのモチーフを組み合わせたり、変化させたりしながら、曲を作り上げていくものです。交響曲第5番第1楽章がその典型であり、最高傑作でしょうか。「タタタタン」だけで、10分近い曲を完璧に構築しています。日本語では「作曲する」と言いますが、英語では“compose”、ドイツ語では“komponieren”、元来は「構築する」と言う意味です。決して思いついたメロディーを書き付けていくだけの作業ではなく、しっかりとした理論に基づいた技術が必要です。

 また、交響曲第7番では第4楽章も非常にエキサイティングです。ちょうどロックのドラムスのリズムの取り方と同じで、弱拍にアクセントを置くようになっています。そして、この単純なリズムを、第2楽章同様に執拗に繰り返します。そして、興奮が最高潮に達するところで曲が締めくくられます。名伯楽として知られるエド・デ・ワールトのタクトで会場が興奮のるつぼになることを期待していたのに、残念です。

 演奏によって差はありますが、繰り返しをいれて40分前後でしょうか。最近は速いテンポで、よりリズミカルに、快活な演奏が主流です。コレクションは以下の通りです。
  サイモン・ラトル:ウィーン・フィルハーモニー
  朝比奈隆:大阪フィルハーモニー交響楽団
  ヘルベルト・ブロムシュテット:ドレスデン・国立歌劇場管弦楽団
  ヘルベルト・ブロムシュテット:ライプツィッヒ・ゲバントハウス管弦楽団
  ヘルベルト・フォン・カラヤン:ベルリン・フィルハーモニー(1977年・セッション)
  ヘルベルト・フォン・カラヤン:ベルリン・フィルハーモニー(1978年・ライブ)
  クラウディオ・アバド:ベルリン・フィルハーモニー
  セルジュ・チェルビダッケ:ミュンヘン・フィルハーモニー
 テレビで放送されたコンサートの録画ですが、
  マリス・ヤンソンス:バイエルン放送交響楽団
  ズービン・メータ:ウィーン・フィルハーモニー
  パーボ・ヤルヴィ:ドイツ・カンマーーフィルハーモニー管弦楽団
  ヘルベルト・ブロムシュテット:NHK交響楽団

 変わったところでは、木管楽器のアンサンブル用の編曲もあり
  ザビーネ・マイヤー管楽アンサンブル
による演奏もあります。

 好みがありますので一概に言えませんが、《舞踏の権化》を堪能するならカラヤン/ベルリン・フィルでしょうか。落ち着いて聴くならブロムシュテット。TouTubeでもいろんな演奏が簡単に見つけられると思います。PCのスピーカーが音割れするくらいで聴くとちょうどよいかも。

オンラインで視聴できるコンサート

 先日も世界中のオーケストラや歌劇場のWeb配信を紹介しました。コンサートやオペラをスマホやPCを通してではありますが、無料で楽しむことができます。テレビで視聴できるようにしていれば、十分に楽しむことができると思います。

 改めていくつかを紹介しましょう。

  https://www.youtube.com/watch?v=huTUOek4LgU
 ここでは、アンドレア・ボッチェッリ(Andrea Bocelli)の、ミラノの大聖堂内でのソロコンサートの様子です。彼は幼い頃に事故で失明するも、歌手の夢を捨てずに努力したひとです。テレビなどで何度か取り上げられているので、見たことがあるかもしれません。後半は大聖堂前の広場で、オケの音を重ねて『アメイジング・グレイス』を歌っています。感動‼️ イタリアをはじめロンドンやニューヨークの様子も映しています。

  https://m-festival.biz/13151
   または
  https://www.metopera.org/season/at-home-gala/
 ニューヨークのメトロポリタン歌劇場が4月25日にネット上でガラ・コンサートを行います。出演は、ヨナス・カウフマンやロベルト・アラーニャ、アンナ・ネトレプコやルネ・フレミングら。現代を代表するトップ歌手ばかりが40人以上。それぞれが自宅から参加するスタイルで、ライブ・ストリーミングで配信されるようです。配信は米国の東部夏時間の午後1時(日本時間の26日午前3時)から。翌日の午後6時30分まで視聴可能とのことです。24時間以上やっているわけですから大丈夫ですね。聴き逃せません。

ヴィヴァルディと『四季』

 フィレンツェのイノチェンティ孤児院を紹介しました(ここ)が、当時は各地にあったようです。現在は同じイタリア国内ですが、当時は独立下国家の中心地であったヴェネツィアにもいくつかの孤児院があったようです。

 男女は別々に育てられていたのでしょう。ヴェネツィアの女子孤児院は音楽教育の水準が高いことでヨーロッパ中に知られていました。指導にあたっていた1人が、アントニオ・ヴィヴァルディ(Antonio Lucio Vivaldi, 1678年 - 1741年)です。彼は教会の司祭であり、女子孤児院や修道院で音楽教育にもあたっていました。毎週日曜日に、彼女らによるコンサートが催され、人気があったようです。ヴィヴァルディは、このコンサートで演奏するために多くの曲を書いており、日本でも人気のあるヴァイオリン協奏曲『四季』もその一つです。

 BGMなどでもよく使われていますし、音楽の授業で聴いたこともあるかもしれません。印象的なメロディですが、鑑賞に値する演奏をするにはアンサンブルも決して簡単ではありません。孤児院や修道院での教育水準の高さをうかがわせます。

 皆さんがよく知っているヴィヴァルディの肖像画はイタリア・ボローニャの国際音楽博物館(ここを参考にしてください)にあります。

コンサートはほとんどが中止になっています。

 皆さん、ご無沙汰しております。仕事や勉強は大きな制約を受け、いつものようにはいかなくなりました。せっかくの気分転換も制約されています。もちろん、私たちには趣味であっても、それを生業としている方たちにとっては死活問題です。

 毎月の恒例である名フィルの定期演奏会も3月、4月と中止になりました。5月以降もどうなるかはわかりませんが、音楽家にとっては収入の道が閉ざされていることになり大変です。日本のプロのオーケストラの多くは「公益財団法人」という形態をとっています。詳しいことはわかりませんが、税制面ではかなりの優遇を受けているようですが、その分、財政上の余裕を作ってはいけないそうで、いわば自転車操業しているわけです。したがって、演奏会がないということは死活問題です。今のところ、政府も直接財政補填または支援すると言っていませんので、非常に心配です。海外も個別のオーケストラや歌劇場の事情は同様と思いますが、日本とは異なり、ドイツでは文化大臣が「アーティストは今、生命維持に必要不可欠な存在」と述べて財政支援すると表明しています。財政対策無くしては生きてはいけません。

そ んな中にあって、多くのオーケストラや演奏家が自分たちの演奏を無料でWeb公開して、自分たちの意気を示すとともに、私たちを慰めてくれています。例えば、
 名フィルは、
  https://www.nagoya-phil.or.jp/news/news_2020_04_01_093048

で、団員たちのアンサンブルを公開しています。
 また、いつも紹介するメトロポリタン歌劇場は
  https://www.metopera.org/nightly-opera-stream/
で連日ライブ録画したオペラを上映しています。
 このほかにも、
 ベルインフィルも
  https://www.digitalconcerthall.com/ja/home
で、無料でコンサートの録画を公開しています。
 このほかにも多くのオーケストラや歌劇場がストリーミング配信を行なっています。授業がないからと言って遊んでいるわけにもいきませんが、うちにこもっていてもストレスですから、少し気分転換してみるのも良いでしょう。


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