名フィル定期(第375回)

先週の土曜日、18日は名フィルの定期演奏会、テーマは『ローマ』.今年度の定期の中で最も期待していたコンサートです.

曲目は
吉松隆:朱鷺によせる哀歌
レスピーギ:交響詩『ローマの噴水』
ラフマニノフ:交響第2番
指揮は尾高忠明、NHK交響楽団の正指揮者で、現在の日本を代表する指揮者の一人です.

最初の『朱鷺によせる哀歌』は30年くらい前に作られた曲、吉松が20代のときの作曲で、出世作です.弦楽器だけで演奏され素曲で、メロディーらしきものはほとんどなく、響きを感じる曲.題名の通り、滅びゆく朱鷺に捧げられた曲ですが、確かに悲痛な叫びににた響きが印象的です.曲の最後は、まさに最後の1羽が息を引き取っていくかのように、静かに消えるように終わります.
作曲者は「哀悼の曲ではなく、復活への頌歌」といっていますが、????

この曲は吹奏楽版もありますので、やったこと、あるいは聴いたことのある方のいるかもしれません.

2曲目のレスピーギは、この日のテーマである『ローマ』を体現した曲.19世紀から20世紀初めに活躍したイタリアの作曲家であるレスピーギには『ローマ3部作』といわれる交響詩(
説明はここ)があり、これもその一つ.他は『ローマの松』と『ローマの祭り』.他に、『リュートのための古風な舞曲とアリア』は有名で、どこかで聴いたことがあると思います.

『ローあの噴水』は全体が4部構成(交響曲と同じです)で、
第1部 夜明けのジュリアの谷の噴水
第2部 朝のトリトーネの噴水
第3部 昼のトレヴィの噴水
第4部 黄昏のメディチ荘の噴水
と、4つの異なった噴水の、それぞれが最も美しい、映える時間帯の様子を描いていています.実際の噴水を観たことがないので、具体的にはイメージできませんが、それぞれの時間帯特有の光の様子やそこにたたずんでいるであろう人々の感情を見事に表現しています.

打楽器の種類も多く、ピアノにチェレスタ、オルガン(パイプオルガン)も加わる大編成.もちろん管楽器も大活躍で、弦楽器のソロもあり、色彩感豊かに演奏されました.

メインはラフマニノフ.ピアノ協奏曲第2番(フィギュア-スケートでよく使われます.トリノでは村主章枝が使いました.『のだめカンタービレ』では千秋がシュトレーゼマン/Sオケでピアノソロを弾いた曲です)やヴォッカリースで有名ですが、完成度からいえば、やはりこの曲でしょう.

哀愁を帯びたメロディーがあったかと思えば、激しく躍動したり、オーケストラの醍醐味を十分に味わえる名曲です.指揮者である尾高が得意としている曲だけに、演奏も非常に聴き応えのあり、50分に及ぶ大曲ですがあっという間に過ぎてしまいました.