名フィル定期(第397回)

先週土曜日の名フィル定期は
「千夜一夜物語」と題して、
ラーション:田園組曲
バルトーク:ヴィオラ協奏曲
リムスキー=コルサコフ:交響組曲《シェエラザード》
指揮:広上淳一
ヴィオラ独奏:川本嘉子
でした.

メインの《シェエラザード》は吹奏楽へのアレンジ版もあり、高校生の姿も多く、3階席の後(廉価な24歳以下専用席)まで埋まっていました.演奏も聴衆に応えるかのように、色鮮やかに物語を紡ぎ出すようないい演奏でした.

タイトルのシェエラザードはアラビアン・ナイトの物語である「千夜一夜物語」の語り手のこと.このシェエラザードが語る物語を4つの曲にまとめたもので、
第1曲 海とシンドバットの船
第2曲 カランダール王子の物語
第3曲 若き王子と王女
第4曲 バクダッドの祭り、海、青銅の騎士のある岩にての難破、終曲
で構成されています.

各楽章ともコンサート・マスターによるヴァイオリン・ソロで始まるのですが、このソロがシェエラザードの語りはじめを表しているのでしょう.コン・マス以外にも第2曲ではファゴットのソロでカランダール王子が、第3曲ではクラリネットのソロで王女がそれぞれ表現されます.この他、フルートやホルン、トランペットなど各パートの妙技が楽しめ、同時にオケの重厚な響きも堪能できる大曲です.

全体としてオケ、ソリストが自由に楽しんでいるような演奏でしたが、実は指揮者・広上の両手の先から操り糸が出ているかのように見事に統率していました.広上は約30年前に名フィルの副指揮者を務めていたこともあり、長年にわたって培われてきた信頼関係のなせる技でしょうか.