左手のピアニスト

年明け早々ですが、昨日(5日)は宗次ホールの「ランチタイムコンサート」で
「左手のピアニストによる名曲の調べ」
というコンサートを聴きました.

標題の通り、右手を使わずに、というよりも、右手を使えないために、左手だけでピアノを演奏します.
ピアニストは
守屋花梨
経歴を見る限り、まだ20代前半.右手を使えない理由は、「局所性ジストニア」という後天性の病気のために、右手、正確には右手のいくつかの指が、(たぶん)ピアノを弾こうとすると動かなくなってしまうという症状がでるためです.

この病気については年明けの講義ですこし触れる予定です.先天性、あるいは遺伝性の場合には全身に症状が出るようですが、後天性の場合には、身体のごく一部、特定の筋だけが、特定の運動を企図すると麻痺を呈します.一般的に文字を書こうとすると手が思うように動かなくなる「書痙」などとして知られていますが、演奏家は指や唇、あるいは声帯など特定の筋を酷使するために、発症率がかなり高いそうです.

今回のピアニスト・守屋さんは愛知県出身で桐朋学園大学を卒業されていますが、大学在学中に発症したそうです.コンサートでは楽曲解説などを簡単にしてくれたのですが、その際にはメモを左手に、マイクを右手に持っていました.演奏中にも右手を握ったり開いたりしていたので、たぶんピアノを弾くこと以外の動作では麻痺は出ないのではないでしょうか.

この日のプログラムは
フランク・ブリッジ:3つのインプロビゼーションから「夜明けに」
アレクサンダー・スクリャービン:左手のための2つの小品
カルル・ライネッケ:ピアノソナタ(左手のための)
バッハ(ブラームス編曲):シャコンヌ
ショパン(ゴドフスキー編曲):エチュード「別れの曲」

特に前半2曲はドビュッシーやラヴェルに似たような響きの曲で、ムードミュージックのような雰囲気もあり、非常に聴きやすい曲.ピアノのタッチも柔らかく、このピアニストにはあった曲だったともいます.

謹賀新年

明けましておめでとうございます.

年末、年始はどのように過ごしましたか? 例年であれば、ひたすら「飲んだくれ」なのですが、最近肝臓の具合がよろしくなく、今年はかなり控えました.

年末には、NHKがイタリア・ミラノスカラ座のライブ録画の6夜連続で放送し、堪能することができました.
モーツァルト:《ドン・ジョヴァンニ》、《魔笛》
モンテヴェルディ:《オルフェオ》
ワーグナー:《ラインの黄金》、《ワルキューレ》
マスカーニ:《カヴァレリア・ルスティカーナ》
レオンカヴァルロ:《道化師》

また、年明けにはWOWOWでアメリカ・ニューヨークメトロポリタン歌劇場のライブビューイングの中から
タン・ドゥン:《始皇帝》
グノー:《ロメオとジュリエット》
フンパーディング:《ヘンゼルとグレーテル》

いずれもしっかりダビングして、また本棚の肥やしが増えてしまいました.(*^^)v これらの中で是非おすすめしたいのは、マスカーニの《カヴァレリア・ルスティカーナ》とMETのグノー《ロメ・ジュリ》です.

元旦恒例のウィーンフィル・ニューイヤーコンサート、今年は洒落なのか、有名なワルツなどのパロディーのような曲がいくつか入っていて、シュトラウス親子・兄弟は「こんなにしてまで曲を作ったのか」とやや驚いてしまいました.たぶん今後何回か再放送があると思いますので、興味のある方は是非ご覧ください.

この他、大晦日にはNHK交響楽団のベートーベンの「第9」(見逃してしまいました)、1月3日にはNHKニューイヤー・オペラコンサート、今日6日はNHK名古屋ニューイヤー・コンサート(残念ながら前半を見逃してしまいました(;_; )と、この時期は時間がいくらあっても足りないくらいなのですが、今年は「飲んだくれ」なかった分、いろいろ楽しむことができました.