名フィル定期(第398回)

今月は名フィル正指揮者の円光寺雅彦の指揮で、「遠い昔、遙か彼方の銀河系で・・・」と題して
バーンスタイン:『ウエスト・サイド物語』からシンフォニック・ダンス
コープランド:クラリネット協奏曲
バーバー:弦楽のためのアダージョ
ジョーン・ウィリアムス:映画『スター・ウォーズ』組曲
クラリネット独奏:橋本杏奈
でした.

タイトルと直接結びつくのは最後の『スター・ウォーズ』です.「なぜ?」と思われる方も多いでしょうが、これもれっきとした「クラシック音楽」であり、オーケストラのコンサート・ピース(曲)です.映画をご覧になった方は覚えておられるかと思いますが、「スター・ウォーズ」とその後の一連の映画のBGMはオーケストラによる演奏が中心でした.作曲したのはジョーン・ウィリアムスという原題のアメリカを代表する作曲家.「E.T」や「インディ・ジョーンズ」シリーズも手がけています.

『スター・ウォーズ』、『帝国の逆襲』、『ジョダイの帰還』という3つの映画で使われた5曲、おなじみのテーマの他、レイア姫のテーマやダース・ベイダーのテーマなどによって構成された組曲.

冒頭のシンフォニック・ダンスはミュージカル映画『ウェスト・サイド物語』に使われたナンバーの中から10曲をほどをメドレーでつないだもの.サキソフォンやかけ声なども入り、ジャズやロックの要素を取り込んだ曲.

こうした曲は、音楽的にしっかりしていることはもちろんですが、『のり』がないと非常につまらない演奏になってしまいます.今回は迫力も十分でしたが、随所に『のり』の良さが感じられ、年の初めにふさわしい清々しい演奏でした.特に打楽器の活躍はすばらしい.名フィルは数年前までの約10年ほど、『名フィル・ホップス・オーケストラ』と銘打ち、年に2回、ポピュラーミュージックのコンサートも開いていました.こうした経験も十分に踏まえた上での選曲なのでしょう.

世界的には『ボストン交響楽団』による『ボストン・ポップス・オーケストラ」が有名なのですが、今回のようなややクロス・オーバー的なプログラムで言い演奏ができるのもオケの実力のうちなのでしょう.

今回のプログラムはいずれもアメリカの作曲家、それも20世紀(から現在)に活躍をした作曲家による作品ばかりです.アメリカの音楽といえばなんと言ってもジャズですが、2曲目のクラリネット協奏曲はそのジャズ的な要素をふんだんに取り込んだ難曲です.ソリストはまだ23歳、見た目は童顔で、演奏中の振る舞いもややおとなしいのですが、テクニックにも音楽性にも才能を感じました.

コンサートとしては2曲目と3曲目の間に休憩が入ります.後半の1曲目のバーバーは、これも『プラトーン』をはじめ、映画やドラマなどでよく使われている名曲.告別の場でも演奏されることがあり、おそらくどこかで耳にしたことがあると思います.演奏中、じっと目を閉じてきいていました.決して力むことなく、素直に音楽と向き合っているなと感じるいい演奏で、会場にもいい緊張感が広がっていました.