《カルミナ・ブラーナ》

カール・オルフという作曲家をご存じでしょうか。1895年ミュンヘン生まれで、20世紀の半ばから後半にかけて活躍し、1982年に亡くなっています。それほどたくさんの曲を残しているわけではなく、演奏会などでもそんなに取り上げられることはありません。ただ、この《カルミナ・ブラーナ》という曲は非常に有名で、コマーシャルのBGM などでも使われています。聴けば「あ、あれか」と気づく人も多いでしょう。
古い映像ですが、1989年12月31日、小澤征爾指揮、ベルリン・フィルハーモニーの演奏はここ

さて、この《カルミナ・ブラーナ》は「世俗カンタータ」と呼ばれるジャンルの曲で、独唱付のオーケストラと合唱のための曲です。演奏時間は1時間余、同じメロディーの繰り返しが多く、技術的にも難易度はそれほど高くないため、アマチュアのオーケストラや合唱団が取り上げることも多い曲です。

知り合いの知り合い(の知り合い?)が合唱団の一員として歌うということでチケットが手に入り、2回聴きに行きました。
 昨年10月12日:「岐阜秋の音楽祭2014」の一環として開かれた「第11回岐阜県オーケストラフェスティバル」での演奏会。岐阜市のサラマンカホールで、宮松重紀指揮の同フェスティバルオーケストラとカルミナ県民合唱団、サラマンカ少年少女合唱団、他。独唱:中井亮一(テノール)、山中敦子(ソプラノ)、大島幾雄(バリトン)、
 今年1月25日:名古屋シティーハーモニー ニュー・イヤー・コンサート。神田豊壽指揮の東海フィルハーモニーと名古屋シティーハーモニー、名古屋少年少女合唱団、他。独唱:内田恵美子(ソプラノ)、大久保亮(テノール)、春日保人(バリトン)

いずれも独唱者はプロですが、オケ、合唱ともにアマチュア。演奏水準は置いて、やはり生演奏の迫力、臨場感は何物にも代えられません。CDもいくつか持っていますし、ちょうど昨年中頃にNHK交響楽団が定期演奏会で取り上げたため、テレビでも放送され録画を持っています。それぞれ何度か聴いていますが、やはり楽器やヒトの身体から直接発せいられた振動を自分の耳でとらえて生じる感動は別物です。
(NHK交響楽団の定期演奏会のパンフレットに歌詞が掲載されています。同時に演奏された《カトゥリ・カルミナ》の歌詞も掲載されていますが、ともに《成人向け》です。(ここです。http://www.nhkso.or.jp/library/philharmony/Phil14Jan.pdf

楽曲の解説を少し。
カンタータ(伊:cantata, 独:Kantate, 仏:cantate、交声曲)というのは、単声(つまり、パートが1つだけ)または多声(たくさんのパートに別れて、複数のメロディを同時に歌ったり、和音をつくったりする)のための器楽伴奏付の声楽作品のこと。「世俗」と付いているのは、歌詞の内容が宗教的な、つまりキリスト教あるいは聖書の内容に依るのではなく、非宗教(=世俗)の内容であると言うことです。


カルミナ・ブラーナ(ラテン語: Carmina Burana)というのは、19世紀初めにドイツ南部バイエルン州にあるベネディクト会のボイレン修道院(ベネディクトボイエルン: Benediktbeuern)で発見された詩歌集のこと。ラテン語、古イタリア語、中高ドイツ語(ドイツ中部から南部にかけて使われていた古いドイツ語)、古フランス語などで書かれた詩が300ほどあるそうです。歌詞の内容は若者の怒りや恋愛の歌、酒や性、パロディなどの世俗的なものが多く、おそらくこの修道院を訪れた学生や修道僧たちによるものと考えられています。カール・オルフはこれらの詩の中から24編を選び、曲を付けました。「初春に」「酒場で」「愛の誘い」の3部構成で、その前後に序とエピローグがついています。1936年に完成し、翌1937年7月8日にフランクフルトのフランクフルト歌劇場で初演されています。曲には、『楽器群と魔術的な場面を伴って歌われる、独唱と合唱の為の世俗的歌曲 (Cantiones profanæ cantoribus et choris cantandæ comitantibus instrumentis atque imaginibus magicis、英訳例:Secular songs for singers and choruses to be sung together with instruments and magic images)(Wilipediaより)』という副題が付いているそうです。

METライブビューイング 《セヴィリャの理髪師》

現在、名駅のミッドランドスクエアシネマでメトロポリタン歌劇場(MET)のライブビューイングで
ロッシーニ作曲《セヴィリャの理髪師、Il barbiere di Siviglia》
が上映されています。
出演は

 フィガロ:クリストファー・モルトマン
 アルマヴィーバ伯爵:ローレンス・ブラウンリー
 ロジーナ:イザベル・レナート
 ドン・バルトロ:マウリツィオ・ムラーノ
 そのほか
演出:バートレット・シャー
指揮:ミケーレ・マリオッティ
管弦楽:メトロポリタン歌劇場管弦楽団

以前に紹介した《フィガロの結婚》の前段のお話し。ストーリーを簡単に紹介すると、
舞台はスペインのセヴィリャ(セビリア)。アルマヴィーバ伯爵はロジーナに一目惚れ。ロジーナも身分の高い青年とは知らずに恋心も抱いています。互いに何とかコンタクトを取ろうとするのですが、ロジーナは後見人であるドン・バルトロの監視下におかれて外出もままならず。しかも、ドン・バルトロは年の差をものともせず若いロジーナにご執心。伯爵はドン・バルトロ宅に出入りする理髪師のフィガロの助けを借りて、リンドーロという貧しい学生を装いロジーナと手紙を交換。さらに、変装してドン・バルトロ宅へ入り込み、ロジーナと互いの気持ちを確認し合います。ドタバタ喜劇のような騒動の後、伯爵が身分を明かすとドン・バルトロも逆らえず、若い2人はハッピーエンド。

何ともたわいのないストーリーですが、貴族が平民の助けを借りて物事を成し遂げるという筋は、やはり絶対王政下では許されないでしょう。しかし、このオペラがつくられたのはフランス革命後、すでにナポレオン戦争も終わり、市民階級が大きな力を持ち始めていた時期。1816年、ローマの歌劇場での初演は必ずしも大成功ではなかったようですが、直ちに評判となって、今日ではロッシーニの最高傑作として上演され続けています。

ロッシーニの音楽は非常に軽快、特に、アジリタと呼ばれる唱法やロッシーニ・クレッシェンドという独特のオーケストラの使い方は聴く者をわくわくさせてくれます。アジリタとはちょうど早口言葉のように速いテンポで刻むようにして歌詞を歌います。一息も長く、練習はたいへんだろうなと思いますが、今回のMETはなんと言っても超一流揃い。いとも簡単にやってのけ、そして聴く者の心を舞台に(スクリーンに)釘付けにしてくれます。また、今回の指揮者はこのライブビューイングでは初めて?の若手、イタリア人っぽい名前ですが、なかなかのイケメンです。オケをよくコントロールして、ロッシーニ独特の調子を見事に聴かせてくれました。

《セヴィリャの理髪師》は数年前にのMETライブビューイングでも同じ演出で上映されましたが、歌手は全く異なります。今回の歌手たちのほうがよりコミカルに、軽やかに歌い演じていたように思います。そして、ロジーナ役のイザベル・レナート、前回の《フィガロの結婚》ではケルビーノ役を歌っ
ています。若手のメゾ・ソプラノとして売り出し中というところでしょうか。非常にチャーミングで歌唱、演技ともに見事。私の次期恋人候補の一人です。

オペラに限りませんが、クラシック音楽の醍醐味は、同じ楽譜(オペラの場合にはさらに台本)でも演奏者によってまったくちがった演奏、つまり解釈を楽しめること。いろんな演奏を聴いているからこそ、自分なりの好みや意見もでき、そしてより理解が深まっていきます。世の中には感じ方や考え方の異なる大勢の人たちがいて、互いに知り合うことが互いを高め合うことにつながっていきます。何か共通するものを感じます。


次回のMETライブビューイングは2月7日から、ワーグナーの名作《ニュルンベルグのマイスタージンガー》です。

岡崎城

明けましておめでとうございます。

年明け、『お城始め』は近場の岡崎城。徳川家康が生まれたお城ということもあり、江戸時代を通じて水野氏など家格の高い譜代大名が城主を務めた名城。近すぎるために気がつきませんが、『家康館』という充実した博物施設もあり、公園としてもよく整備されています。

岡崎城は天守閣を含めて明治維新後までしっかりと利用されていました。つまり、建物が残っていたのですが、明治維新後にほとんどが取り壊されてしまいました。当時のまま残っているのは本丸の石垣と堀の一部だけです。
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天守閣は戦後になり、昔の写真などを参考にして復元されました。鉄筋コンクリート造りで、内部には甲冑や刀剣類などが展示されています。
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お正月にお城など見に行く人がいるのかと思っていたら、駐車場はほぼ満車でした。天守閣の脇に神社があり、初詣に来られている方がたくさんいらっしゃいました。近くの方はご存じでしょうが、神社は「龍城(たつき)神社」、岡崎城は別名「龍城(たつがじょう)」というそうです。

昨年は近場の犬山城からはじめ、四国のお城などを巡り、年初と同じ国宝の姫路城で締めました。今年も時間の許す限りいろんなお城を見て回りたいと思います。

姫路城

昨年の『お城納め』は大改修を終えた姫路城。一昨年末に改修中の姫路城を訪ね、普段は見られない外観や大屋根を上から見学しました。今回は改修なった天守閣を下から眺めてみました。

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写真をご覧ください。『白鷺城(はくろじょう)』の名の通り、壁はもちろん屋根までもが白く輝いています。遠くから観ると雪が積もっているかのようでした。天守閣の瓦はやや灰色、シルバーといってもいいような色.瓦いちまいいちまいの間にすべて漆喰を塗込んでいるようです.この結果、雪が積もったかのように見えます.

「白すぎる」との声もあるそうですが、うなずけます。あまりに白すぎるため、カメラの露出があわず、色が飛んでしまっています。見事としか言いようがありません。
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残念ながら、改修工事も完全に終わっていないようで、天守閣を含めた本丸には立ち入れませんでした。3月末が「グランドオープン」とか。桜の名所でもあり、あの白い天守閣をバックに咲く桜はキットうっとりするほど美しいのではないでしょうか。

3回目は天守閣を是非とも登ってみたいと思います。