名フィル定期(第373回)

先週土曜日は名フィルの第373回定期演奏会.月1回とはいえ、第何週目と決まっているわけではないので、1ヶ月半ぶりのオケでした.

今回のプログラムは、音楽史的に見ると古典派(18世紀後半)、ロマン派(19世紀前半)、そして近代(20世紀前半)と歴史をたどるように、時代にしたがって音楽の変遷をみることができました.

チマローザ:歌劇『ロンドンのイタリア女』序曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
ヴォーン・ウィリアムス:ロンドン交響曲
指揮はマーティン・ブレビンス、協奏曲のヴァイオリン独奏はジェニファー・パイク

チマローザという作曲家は、ちょうどモーツァルトと同じ時期に活躍したイタリアの作曲家.当時は売れっ子だったようですが、現在では、CDはオペラも序曲も1種類しかないほど、かなりのマイナー系.私も名前は知っていましたが曲は初めて聴きました.
モーツァルトよりはやや古風というか、バロックの香りの濃い音楽です.ただ、やはりイタリアというか、のどかというよりは華やかな、結構かっこいい曲です.

さて、2曲目のコンチェルトは日本では《メン・コン》と略して呼ばれ、3大ヴァイオリン協奏曲に数えられる名曲中の名曲.冒頭のヴァイオリンソロからはじまるフレーズは、きっとどこかで聴いたことがあるのではないでしょうか? 

3楽章構成ですが、事実上切れ目なく通して演奏されます、約30分の曲.

いや、実にすばらしい演奏でした(。)カンド- 先ずソリストは、パンフレットの写真や舞台遠目では30歳くらい?と思ったのですが、プロフィールを呼んでみるとなんと20歳(*_*)(^^ゞ いや驚きました.最初はやや音が小さいか?と思ったのですが、徐々にアップしていき、全体として音楽がよく練り上げられていて、『若さ』(悪い意味での)を全く感じませんでした.そして、なんといってもソロをサポートするオケがよかった(^_^)b 名フィルはこんなに優しい音をしていたのか?と驚きでもありました.決して出しゃばることもなく、うまくもり立てていました.

これは指揮者の人柄が出ていたのかもしれません.今回のブレビンスは一昨年の10月にも振っていて、ブログ(
ここ)を振り返ってみると、バルトークの難曲をしっかりと作り上げて名演を残しています.遠目でしたが、いかにも優しそうな、「ちょっと可愛いおじさん(^ニ^)」です.

メインは最後の《ロンドン交響曲》.実はこの日のテーマは『ロンドン』、1912年から13年にかけて作られた曲で、作曲者のヴォーン・ウィリアムスはホルスト(『木星』で有名な組曲『惑星』の作曲者)やエルガーと並ぶ近・現代のイギリスを代表する作曲家です.
ロンドンのいろんな情景を描いた曲で、映画音楽を聴いているような雰囲気です.
ただ、2楽章が緩徐楽章で、3楽章がスケルツォと、交響曲としてはオーソドックスな4楽章構成.楽器編成は大きく、その分弦楽器や木管楽器のソロや分厚い金管楽器のハーモニーも楽しめ、聴き応え満点です.

指揮者ブレビンスもイギリス人ということで、いわば『お国もの』.いかにも隙のない音楽作りだったと思います.

新聞などでご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、来年度の名フィルの体制と定期演奏会のプログラムが発表されました.この3年間常任指揮者だったフィッシャーが退任し、当面後任はなし.その分定期のプルグラムはバラエティーに富んでいますが、ちょっと寂しい気もします.今回のブレビンスなんかを呼んでくれるといいのではと思うのですが・・・

ショパン2

中日新聞を取っている方、先週日曜日の『大図解』をご覧になりましたか? 古紙回収に出していなければぜひご覧ください

ショパンを特集していました.今年生誕200年で、いろんな演奏会で取り上げられています.「なぜこの時期に?」という疑問がわきますが、ちょうど昨日から、ワルシャワで『ショパンコンクール』が開かれているからです、たぶん.(^_-) (公式HPはここ:
Fryderyk Chopin - The International Fryderyk Chopin Piano Competition
5年に1度の国際的なピアノ(だけの)コンクール.オリンピックと同じで、出るだけでも大変、一流の証ですが、その一流のメンバーがショパンの曲だけを弾いて優劣を競い合います.若手の登竜門ですが、3大ピアノコンクールの1つ.この数回、日本人は毎回のように入賞していますし、なんと審査員にもなっています.今年は小山実稚恵が務めているはず(というわけで、中日新聞の『大図解』の解説を書いています、たぶん(^_^)v).

もちろん優勝者はその後世界のトップとして活躍しています.ポリーニ、アルゲリッチ、ツィメルマン、ブーニン、ユンディ・リ.ピアノの好きな方なら名前を聞いただけでタッチが思い浮かぶかもしれません.私は生で聴いたことのあるピアニストはいませんが、CDを聴くかぎり、うっとりしてしまう演奏ばかりです.

さて、CDを持っていない方も、なかなかクラシックになじみのない方も、一度NHKの『名曲探偵アマデウス』(毎週月曜午後7時、BShi)をご覧になってください.これまでも何度か紹介しましたが、来週から2週連続でショパンの曲を取り上げるようです.
来週月曜日は、『協奏曲第2番』、再来週が『舟歌』です.(HPはここ:
NHK クラシックミステリー 名曲探偵アマデウス | これからの放送予定
これまでにも、ピアノ・ソナタ『葬送』(10月17日日曜日深夜に再放送があります)とか『前奏曲集』、『練習曲集』が取り上げられてきました.メジャーな曲ばかりを取り上げてきた割には、今回は協奏曲の第1番(こっちの方が有名です)ではなく、なぜか第2番.(?_?)エ?
ちなみにその次はシューマンです.

実は先日、ショパンの名曲ばかりを集めたCD集を買いました(
これです).今までいろいろ目移りして迷っていたのですが、これは割とシンプルなセットです.Deutsche Grammphonですが、ツィメルマンのコンチェルト、アシュケナージのマズルカ、ポリーニのエチュードやソナタなどなど.
ツィメルマンのコンチェルトは、彼の『弾き振り(ピアノソロと指揮の両方を一人でやる)』です.ショパンの弾き振りは初めて聴いたのですが、なかなかいいですね.第1番、第2番ともに、ショパンの若い頃(10代です)の作品だけに、『ピアノ優位で、オケがやや貧弱』という評価が多いと思いますが、そこを逆手にとってというわけではないのでしょうが、ピアノとオケが一体化して、ピアノの延長にオケがあるような、そんな演奏です.もちろんピアノの音は「pure」いう表現がぴったりのような、瑞々しく澄んだ、何ともいえない味わいです(。)カンド-.これは1999年の録音ですが、同じツィメルマンのピアノでカルロ・マリア・ジュリーニという(もう亡くなっていますが)有名な指揮者との共演(1978年録音)があります.若いピアニストと大物指揮者という組み合わせのためか、オケの上にピアノがのっかているような感じ.これはこれで安心して聴ける名演です.

再試も終わり、ほっとしている方も多いでしょう.少し時間を作って芸術に親しんでみるのもいいのではないでしょうかd(^-^)ネ!