映画『パバロッティ』

 久しぶりに映画を観に行きました。
  『パバロッティ〜太陽のテノール(原題:Pavarotti)』です。
 ルチアーノ・パバロッティの名前は知っている人も多いでしょう。90年代には「三大テノール」として一世を風靡し、トリノ冬季オリンピックの開会式で「誰も寝てはならぬ」を歌いました。彼の生涯を描いたドキュメンタリー映画です。実上映時間115分と長めですが、バックに流れる音楽とパバロッティの美声、まさに太陽のテノールに圧倒されて時間が過ぎていきます。

 録音も映像もそれほど持っているわけではありませんが、彼の声は突然聴いてもそれと分かるほどに独特です。突き抜けるように明るく、艶があり、そしてパワフル。一度聞いたら忘れられない声です。生で聴きたかったと思いますが、今回の映画では、録音原盤を基にしっかりとしたミキシングがされているようで、かなり忠実に再現されていると思います。彼の声を聴くためだけでも十分に価値のある映画です。

 大きな体と人懐っこい笑顔に世界中の人が魅了されたようで、クラシック音楽の枠を超えて様々な音楽家と共演しています。また、自らが戦争や様々な苦労を体験したことから、チャリティ活動にも熱心でした。映画中でも描かれているイギリス・ダイアナ妃との親交がそのきっかけとなったようです。

 映画の中では音楽家を始め、マネージメントに関わった人たちの話から、いかに厳しい世界を渡って行ったのか、垣間見ることができます。そして何よりも彼の家族が語る彼のプライベート、多くの写真や映像とともに、偉大な芸術家も一人の人間として生きていたことを知ることができます。

 現在、パバロッティの再来と言われるテノール歌手もいないわけではありませんが、彼ほどに魅力的で、カリスマ性がある歌手はもう2度とでないでしょう。そして、パバロッティは永遠に語り継がれることでしょう。

 映画としては、本当はもっと早くに封切られるはずでしたが、結局9月はじめから。ミッドランドスクエアシネマと伏見ミリオン座で上映されています。