名フィル定期(第476回)《集大成の傑作》

遅くなってしまいましたが、名フィルの2月定期の記録を残します。
2月21、22日に《集大成の傑作》と題して、

   モーツァルト:交響曲第38番ニ長調「プラハ」
   リヒャルト・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」
   指揮:小泉和裕(名フィル音楽監督)
でした。

 テーマの通り、モーツァルトとリヒャルト・シュトラウスの集大成である2曲のプログラムです。

 モーツァルトは36年足らずの人生で41曲の交響曲を作曲しています。他のジャンルも数多くつくっていますが、最後の3曲が特に有名で、名曲の誉高いのですが、その一つ前に作曲された38番も劣らない名曲で、聴き応え十分です。題名の通り、プラハに招待された機会に合わせて、作曲者自身の指揮で初演されました。

 2週間前にも同じくモーツァルトの交響曲35番を聴いていますが、やはりと言うと失礼ですが、定期演奏会での演奏は一体感が違いました。弦楽器はモーツァルトにしてはやや大きめの編成でしたがまとまりよく、管楽器ともよく調和していました。名フィルの特徴ですが、モーツァルトにしてはやや音が硬いか? 

 リヒャルト・シュトラウスは逆に長寿を全うしましたが、作曲家としての前半生が交響詩を、後半生はオペラを中心に作曲しました。今回の「英雄の生涯」は最後の交響詩で、まさに集大成の一曲です。大編成の曲でオケにとってはかなりの難曲で、45分余で大きく六つのパートからなりますが、途切れることなく演奏されます。その中に、「英雄の業績」と題するパートがあり、リヒャルト・シュトラウス自身の曲が引用されます。こんなこともあって、タイトルの「英雄」は作曲者自身とか。

 先月のN響との聴き比べを意識しながら聴いていましたが、実に素晴らしい演奏でした。今シーズンで最もよかったのではないかと思います。管楽器の活躍する曲で、特に金管楽器のアンサンブルは迫力がありました。弦楽器の響きも充実していました。木管楽器のソロも随所にあり、見事でした。この曲はヴァイオリンのソロも有名で、「英雄の伴侶」を表す長大なソロをコンサートマスターが奏します。ゲストコンサートマスターの荒井英治。日本を代表するヴァイオリニストです。やや音が小さいかなと思いましたが、口うるさい「英雄の伴侶」を上手く演じていました。

 3月は今シーズン最後の定期で、名フィル指揮者の川瀬賢太郎の指揮で、パスティーシュ特集ともいうべき意欲的なプログラムが予定されていましたが、残念ながら中止となりました。