美術展

ギュスターブ・モロー展

 週末に大阪出張があり、空き時間に天王寺のあべのハルカス美術館で
   《ギュスターブ・モロー、サロメと宿命の女たち展》
を観てきました。

 『出現』はご存じの方も多いでしょう。こんな絵です。
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 19世紀後半にフランス、パリを中心に活躍した画家の一人、モローの代表作です。一度生を観てみたかったので、念願が叶いました。また、モローの名は知っていても『出現』以外の作品はほとんど知らなかっただけに、幅広く触れることができたのも大きな収穫でした。

 サロメに限らず、聖書やギリシャ神話などに登場する多くの女性をモデルにした作品が展示されていました。人物の顔の多くがプロフィール=真横からの像で、写実的ではあるものの全体に平板=二次元的です。神秘的な雰囲気が漂った絵も多く、モロー自身が「何よりも先ず、愛し、少し夢を見なければなりません」と語ったそうで、うなずけます。

 モローは作品数も多いようですが、それぞれに素描や習作を重ねて、緻密に計画を立てて描くタイプだったのでしょう。晩年はアカデミーで教職に就き、マティスなどの画家を育てたというところとも通じるものを感じます。

 10月からは福岡で開催されるようです。

ウィーン・モダン展

 やや時間がたちましたが、6月の最後の週末に学会出張で東京に行きました。ちょうど土曜日は夜8時まで開いていたため、国立新美術館の《ウィーン・モダン、クリムト、シーレ 世紀末への道》と題した美術展に行って来ました。

 今年が日本とオーストリアの外交樹立150周年にあたることを記念したイベントの1つのようで、8月には《クリムト展》が豊田市美術館であるのも同様でしょう。

 タイトルに「世紀末への道」とあるように、18世紀後半の啓蒙主義時代のウィーンから始まって、20世紀初頭に至る美術や工芸の代表作が展示されていました。ウィーンにあるWien Museumが現在工事中とのことで、かなり貴重な作品も貸し出されたようです。

 入ったとたんにマリア・テレジアに出迎えられたのには驚きましたが、音楽の都だけに音楽家に関連する美術作品も多く、非常に楽しめる美術展でした。

 18世紀後半のウィーンではフリーメーソンの影響が大きかったようですが、作曲家のモーツァルトもその会員です。フリーメーソンの儀式を描いた作品も展示されており、描かれた人物の中にはモーツァルトもいました。また、有名なシューベルトの肖像画(たぶん音楽の教科書に掲載されていたと思います)や、あの特徴的なメガネ(実物)もありました。そのほかに、ウィーンを中心に活躍した作曲家マーラーの彫像も。同時期に活躍した作曲家のシェーンベルクは絵も描いたようで、彼が描いた作曲家ベルクの肖像画も展示されていました。

 もちろん、タイトルのクリムトやシーレの作品も多数展示され、非常に見応えがありました。このクリムトの絵だけは写真撮影が許されていました。
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レオナルド×ミケランジェロ展

 日曜日(11月12日)は穏やかな行楽日和でした。少し遠出をして、岐阜の岐阜市歴史博物館へ「レオナルド×ミケランジェロ展」(公式の紹介、チラシなどはここにあります:http://www.gifu-np.co.jp/leomiche/)を観に行きました。

 イタリア・ルネサンスのみならず、人類史における巨人、レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロ・ブオナローティーの2人を比較するという、何とも大胆な発想の企画です。もちろん、教科書に載っているような作品はそう簡単に持ってこれません。今回は、素描を中心に展示されています。

 素描や手紙やメモなどが中心の展示でやや地味ですが、レオナルドの絵画作品は少なく(かつ高価でとても出してくれない)、ミケランジェロの絵画作品はほとんどが壁画で、彫塑作品も大きくてなかなか運べません。

 素描はタッチがよく分かり、息づかいが感じられます。手紙やメモをみると、字体や描き方から人柄が偲ばれます。今回の目玉の1つであるレオナルドの「少女の頭部」は最も美しい素描と言われているそうです。確かまなざしにはっとします。ミケランジェロの彫像作品「十字架を持つキリスト」も持ち込まれ、この作品のみ写真撮影できました。
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 また、2人の得意とする題材にも焦点が与えられていて、レオナルドは馬、ミケランジェロは男性の裸体、特に背中。

 会期は11月23日までです。金華山の紅葉はこれからが見頃だと思います。紅葉狩りをかねていかがでしょうか?

ボッティチェリ展、ダ・ヴィンチ展、カラヴァッジョ展

 3月最後の週末(27,28日)に欲張って東京へ行って3つも美術展を見て回りました。盛りだくさんで完全に消化不良でしたが、年末にイタリアで堪能したルネサンスを中心とした芸術に改めて触れることができました。

 今年は日本とイタリアの国交樹立150周年にあたるようで、記念した企画の一環のようです。『ボッティチェリ』展(Webはここ:http://botticelli.jp)は国内では初めてのボッティチェリの回顧展になるそうですが、東京都美術館で4月3日まで。『レオナルド・ダ・ヴィンチ~天才の挑戦』展(Webはここ:http://www.davinci2016.jp)は江戸東京博物館で4月10日まで。もうすぐ終わってしまいます。『カラヴァッジョ』展(Webはここ:http://caravaggio.jp)は国立西洋美術館で6月12日までです。いずれも他への巡回はないようです。興味のある方は是非Webサイトをご覧下さい。

 見応えがありましたが、今回最も見たかったのは『ダ・ヴィンチ』展の「糸巻きの聖母」と「鳥の飛翔に関する手稿」です。また、カラヴァッジョの明暗を強調した絵画も是非とも見たかったので非常に満足しました。

 ダ・ヴィンチは15世紀後半から16世紀に活動していますが、若い頃から鳥、あるいは空を飛ぶことにあこがれを持っていたようです。ウフィッツィ美術館で見た『受胎告知』の大天使ガブリエルの翼の表現など、観察力とあの時代にそれを正確に表現できる描写力はやはり天才です。今回は具体的にどうやって飛ぼうとしていたのか、彼のアイデアの一端を「手稿」、要するにメモ書きを通して感じました。とても「見た」とはいえませんが、買ってきた図録には展示された「手稿」全ての写真と訳が掲載されているので、時間のあるときにゆっくりと読み込みたいと思います。

 ダ・ヴィンチは自分のアイデアを元に実際に「飛行機」をつくり、弟子に飛ばせています。今でいえば「鳥人間コンテスト」に出場するようなものですが、見事に失敗。以後、2度と試みることはなかったそうです。

 『カラヴァッジョ』展では、同時代の風俗を描いた絵画を多く見ることができましたが、その中に、当時使われていた楽器が描かれています。こうしたことから当時非常にポピュラーであった「リュート」という楽器のコンサートが西洋美術館内でありました。

 リュートはギターとよく似ていますが、起源は中央アジアの「バルバッド」という楽器で、西に行ってヨーロッパに渡ってリュートに、東に行って中国や日本では「琵琶」として現在に至っています。いずれもネックのヘッドの部分が折れ曲がっているところが共通しています。ギターと違って複弦ですが、音量は小さめ、響きも弱く、可憐でしとやかな感じがします。琵琶はバチで弾きますが、リュートは指(ツメ?)で弾きます。シェークスピア劇のような中世を舞台にした映画を観たことのある方であれば、何となく分かってもらえるのではないかと思います。CDで聴くことはあっても、生で聴く機会はほとんどできないので貴重な体験でした。もっといろんな曲、演奏を聴いてみたいですね。

《ヴァチカン美術館~天国への入り口》

はじめて3Dの映画を見に行きました。現在、名駅・ささしまのTOHO109で上映されています。別に、栄・パルコ8階のセンチュリーシネマでは2D版が上映されているようです。(映画の公式HPはここです

これはヴァチカン美術館公認の映画を謳っていて、初めてヴァチカン宮殿に4K3Dのカメラを入れて撮影されたとのこと。美術館部分だけではなく、もちろんシスティーナ礼拝堂の内陣にも入って、ミケランジェロの描いた天井画(これです)や《最後の審判》(これです)も撮影されています。

4Kというだけあって、確かに精緻です。そして、アップでとらえているので、非常に見応えがありました。昨年末に徳島県鳴門市にある大塚国際美術館へ行って、これら壁画の実物大の陶板画を見てきました。迫力には圧倒されましたが、時間をかけてしっかり見るには大きすぎ、あるいは、絵のある位置が高すぎて疲れます。その点、今回の映画は、端から端までじっくり映してくれているわけではありませんでしたが、細部をうかがうことができました。

3Dの見所は多くの彫像群です。有名なミケランジェロの《ピエタ》(これです)は見応え十分でした。

ヴァチカン、つまりカトリックの総本山ですから、すべてがキリスト教に関わる美術品を並べていると何となく思っていたのですが、大違いでした。古代ローマ時代につくられ、土中に眠っていた彫像などがちょうどルネサンス期に大量に見つけられたようで、これらが大切に保管されているそうです。「目から鱗が落ちる」とはこのこと。ルネサンスの精神が最も保守的なところにまで入っていたとは。

《見つめて シェイクスピア!》展

週末(2015/02/15)に滋賀県立近代美術館でひらかれている《見つめて シェイクスピア!》展(HPはここ)を観に行ってきました。本命は琵琶湖大橋の袂、「なぎさ公園」の菜の花畑と美術館で展覧会に合わせてひらかれたコンサート『歌って、シェイクスピア!~シェイクスピアとエリザベス朝の音楽』でした。

菜の花畑はきれいだったのですが、行った時間には雨が降っており写真のように今ひとつの風景でした。菜の花畑がほとんど琵琶湖に面しており、本当は対岸の比良山系をバックにすばらしい一枚が撮れるはずだったのですが・・・・・。
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また、コンサートは入場無料だったからなのか、希望者殺到で整理券が早々になくなってしまったようで入場できず(>_<) 結局、扉の外から始まりの拍手だけ聴いて終わりました。

とは言っても、この展覧会は結構見応えがありました。シェイクスピアの戯曲の名場面を描いた絵画や版画、本の挿絵を集めた展覧会です。絵画よりも版画が多く、全体に色にあふれるというよりもモノトーンな雰囲気でした。作品は、ハムレット、オセロ、リア王、マクベスのほか、夏の夜の夢、あらし、ロミオとジュリエット、十二夜など、有名な悲劇や喜劇を中心に、それぞれの有名場面を描いたもの。それぞれの物語のあらすじの外、各場面についても簡単に説明が施されていましたので、それぞれのストーリーを知らなくともある程度は理解できるように配慮されていました。ドラクロアやシャガールなど有名な画家をはじめ非常に多くの作品でしたが、中には「これが版画か」と息をのむほどにリアルで、ドレスの光沢、肌触りまでもが伝わってくるような作品もありました。 やや目をこらしながら見て回ったためが、1時間あまりの鑑賞で非常に疲れました。
ポスターはこれ

シェイクスピアは1564年に生まれて1616年に亡くなっています。つまり、昨年が生誕450年、来年が没後400年。メモリアルイヤーが続き、いろんなイベントが開催されています。いつも紹介しているMETライブビューイングでも、2014-2015シーズンの開幕で《マクベス》が取り上げられました。NHK教育テレビで毎週水曜日の夜に放送されている『100分で名著』という番組をご存じでしょうか? 昨年の最後が《ハムレット》でした。いつかはと思っているのですが、演劇を見る機会がないのが残念です。

蛇足ですが、1564年生まれはガリレオ・ガリレイと同年、1616年没は徳川家康と同年です。

趣味の話題も書いてみることにしました

皆さんは試験勉強で大変ですが、逆に私は試験問題を作り終え、ほっとしているところです.(^^)
だから、というわけではありませんが、これまでやろうと思っていてなかなかできなかったことを思い立ちました.

何もブログをつくる必要もないのですが、ある程度人目につく形で字にしたほうが張り合いがあるかと思って・・・;-)

趣味といってもいろいろあるわけでもありませんので、学生時代にオーケストラをやっていて、それ以後もずっとリスナーとしていろんな音楽(といってもクラシック音楽だけですが)を聴いてきています.クラシック音楽に今までなじみのなかった人たちに、『聴いてみようかな』というきっかけになるような内容になればいいなあと思っております.

まずは思いついたところから順に、そう『つれずれなるままに』書いてみようと思います.