名フィル定期(第472回)《破天荒の傑作》

 時間が経ってしましたが、11月の名フィル定期を紹介します。
11月15、16日に《破天荒の傑作》と題して
   メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調
   ベルリオーズ:幻想交響曲
   ヴァイオリン独奏:オーガスティン・ハーデリッヒ
   指揮:小泉和裕
で行われました。

 モーツァルトと並ぶ神童、メンデルスゾーンが30代半ばで作曲したヴァイオリン協奏曲は古今のヴァイオリン協奏曲の中でも最も演奏頻度が高いのではないでしょうか。富豪と言っても良いほど裕福な家庭に育ったとは思えない、全体を支配する哀愁は一度聴くと忘れられません。名曲たる所以でしょうか。

 独奏者のハーディッヒは30代半ばですが、15歳のときに全身に大火傷をおいながらもカムバックしたという経歴を持っています。演奏にも深い精神性を感じました。グラミー賞を受けるほか、多くの有名指揮者・オーケストラとも共演しているのも肯けます。

 後半に演奏された『幻想』は学生時代に演奏したことがあります。初演されたのが1830年です。ベートーヴェンが亡くなったのが1827年、交響曲第9番が初演されたのが1824年です。クラッシック音楽を聴き慣れるとわかりますが、とても6年しか離れているとは思えない、まさに破天荒な作品です。作曲のきっかけといい、オーケストラの編成といい、メロディといい、当時の聴衆は呆れ果てたのではないでしょうか。YouTubeではこんな演奏が聴けます。https://m.youtube.com/watch?v=xYbePdHVe0A

 12月定期は今週末で、《舞踊の傑作》と題してフランスのバレエ音楽を中心に演奏されます。