名フィル第九演奏会

 年末恒例となっているべートーヴェンの交響曲第9番の演奏会が、12月18、19日にありました。例年であれば、11月くらいから各地で行われていますが、残念ながら今年はその多くが中止となっています。有名な第4楽章の合唱はアマチュアでも十分に歌えることもあり、第九のためのアマチュア合唱団もあります。愛知県内だけでも10回以上開かれていたのではないでしょうか。オケはかなり難易度が高く、アマチュアでやろうとすると半年がかり。名フィルも毎年数回は演奏し、良い収入源になっていたはず。

 土曜日の演奏会に行きました。合唱は例年はアマチュアの愛知県合唱連盟が百人以上の大編成を組むのですが、今年は東京混声合唱団というプロの合唱団に変更され、各パート7名ずつの合計28名という小編成でした。合わせてオケも1st ヴァイオリンが10名と、かなり小さな編成での演奏会でした。

 合唱は通常はオケと同じ舞台上で、オケの後ろにひな壇を組んで載りますが、今回はステージ後方の客席に間隔をかけて整列。したがって、2回後方座席はチケットが販売されませんでした。それ以外の席はほぼ満席。演奏中に声を出すこともないため、演奏前後に気をつければ、会場名で何かが怒る心配はないでしょう。

 さて、楽曲の解説のようなことはいろいろなところで論じられているため、わざわざ素人が語ることもありません。最近の演奏、特に若い指揮者は、必要以上に解釈したコッテリ濃厚よりも、できるだけ楽譜に忠実に、できるだけ作曲当時のスタイルに近い響きを求める傾向にあります。今回も、弦楽器があまりビブラートをかけず、管楽器も楽譜の指示に忠実にしたがっていたような気がしました。

 そのためか、各楽器の音が非常によく聴こえ、同時に小編成ゆえにか、室内楽のような響きでした。特に、弦楽器は響きに透明感があり、その上に管楽器の音がよく乗っているように感じました

 しかし、最も印象的だったのはティンパニ。楽譜の指示は他のパートと同じフォルテやフォルテッシモであっても、大きく響いていました。これらは指揮者の指示でしょうか。特に第2楽章では、自らの存在を誇示するかのような演奏でした。作曲者の意図もそこにあるのかもしれませんが、初めて聴いた人が後で他の演奏を聴くと、これまた驚くかもしれません。同様に、ティンパニと被ることの多いトランペットもよく響いていました。ベートーヴェンの時代とは楽器が違いますから、より明るく際立っていました。

 注目の第4楽章は、オケと合唱が離れているにもかかわらず、完全に一体になって聴こえてきました。これまで聴いた演奏では、今から思うと、合唱に迫力はあるもののオケの上に乗っているだけ。これほどまでに合唱とオケの一体感を感じた演奏は今までにありません。今回にかける意気込みもあるでしょうが、やはりプロゆえの音楽に対する理解の深さ、あるいはこれがアンサンブルということなのでしょうか。

 聴衆も皆さん大いに満足されていたのではないでしょうか。演奏終了後の拍手もいつもよりも大きかったのですが、一旦オケが舞台袖に戻った後も拍手が続き、改めて全員が整列することに。このような経験も初めてです。(ここを参考=> https://digital.asahi.com/articles/DA3S14740823.html?iref=pc_rensai_long_61_article
 
ところで、今回一際目立っていたティンパニですが、譜面台も見当たらなかったし、譜面のページをめくっている様子もなかった。もしかして暗譜で演奏していたのか? Bravissiomo!!!