ショパンとシューマン

日曜日に同じく宗次ホールでのピアニスト・小山実稚恵のリサイタルに行ってきました.

何度も紹介しているNHKの『名曲探偵アマデウス』にもよく登場しています.日本を代表するピアニストで、ある雑誌で『日本人で最高のショパン弾きは?」というアンケートで見事第一位になっています.今回は彼女が年2回、12年間続けるという連続コンサートの第9回目、プログラムを全部あらかじめ発表されていて、今回は

シューベルト:ソナタ 第13番
ショパン:ソナタ 第2番 『葬送』
ブラームス:『ふたつのラプソディー』 第2曲
シューマン:ソナタ 第3番

と、ロマン派の大家が並ぶ、めったにない構成でした.

コンサートのはじめにソリスト自身が「4人のそれぞれ異なった響きを楽しんでください」とスピーチしていたのですが、堪能できました.

プログラムの軸はなんと言っても生誕200年に当たる2人、ショパンとシューマンです.『ピアノの詩人』と評されるショパンはいうまでもなく、シューマンも多くのピアノ曲を書いており、名曲が揃いです.

1曲目のシューベルトは、まさに『歌』.『歌曲王』といわれるにふさわしい、歌心にあふれ、草原でひなたぼっこして、いつの間にかうとうとしているかのような曲です.(本当にうとうとしてしまいました^_^;) 初めて聴いた曲なのですが、「シューベルト侮れず」、一度ピアノ曲をまとめて聴いてみようかと思っています.

ショパンの『葬送』は、第3楽章が有名な葬送行進曲、「あの」メロディーです(わかります? プロ野球の応援で、相手チームの打者が凡退したときなどによく吹いている人がいます). 彼は『詩人』なのですが、決してあらかじめ標題を決めて曲を作っていたわけではありません.そんな中にあって、この曲だけは『葬送』をテーマにして創ったようです.
第1楽章冒頭からいきなり胸ぐらをわしづかみにされるような、ショパンらしい激しさ.しかし、第3楽章の冒頭の「葬送行進曲」の部分が終わると、柔らかい光が差し込んでくるかのようなうっとりするメロディーです.いつまでも聴いていたいような気にさせてくれます.
演奏もすばらしかったです.先日の『名曲探偵アマデウス』でも小山実稚恵が弾いていました(
ここ

「ラプソディー」は日本語では「狂詩曲」.特に形式にとらわれず、自由な発想で作られる曲です.既成のメロディーをモチーフにすることも多いようで、ドラマ「のだめカンタービレ」のエンディングに使われた、ガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」などが有名です.ただ、ブラームスは、これまた彼らしい構築美というか、考えて考えてつくっているなというのがよくわかる曲でした.結果、全体がソナタ形式になっているという、ちょっと珍しい曲です.

最後のシューマンは、「ソナタ第3番」という題名ですが、元々は「管弦楽のない協奏曲」という題名で構想された曲.スケールが大きく、オーケストラが鳴っているかのように次々と響きや音量が変化する大曲です.今回演奏されたのは、当初出版されていた譜面を、作曲者自身が大幅に改訂した版.いや、すばらしい曲です.演奏もよかったのでしょうが、いろんな演奏を聴いてみようかと思っています.

シューマンは奥さんのクララが優れたピアニストであったためか、ピアノの名曲がたくさんあります.「子どもの情景」などはご存じの方も多いと思いますが、自分がピアノを弾けないのでこれまでそれほど聴いたことがなく、ちょっと後悔をしております.
ここでは紹介していないのですが、昨年11月に、内田光子のリサイタルを聴きに行って、シューマンの「幻想曲」を初めて聴いたのですが、これがまた引き込まれる曲(且つ演奏)でした.

小山実稚恵の次のコンサートは10月、ショパンの24のプレリュードです.