METライブビューイング:モーツァルト《フィガロの結婚》

今シーズンの2作目は
モーツァルト:歌劇《フィガロの結婚》
メトロポリタン歌劇場の新演出で、今シーズンのオープニングを飾った演目です。
指揮:ジェイムズ・レヴァイン
演出:リチャード・エア
出演
アマルヴィーバ伯爵:ペーター・マッティ(バリトン)
アマルヴィーバ伯爵夫人:アマンダ・マジェスキー(ソプラノ)
フィガロ(伯爵の使用人):インダール・アブドラザコフ(バリトン)
スザンナ(伯爵夫人の侍女):マルリース・ペーターセン(ソプラノ)
ケルビーノ:イザベル・レナード(メゾ・ソプラノ)

古今のオペラ作品の中でも特に有名な作品です。肩を張らずに見ることができるストーリーで、音楽もわかりやすくメリハリがきいています。従って、初めて観る方にも特にオススメ。
ストーリーはやや説明しにくいところがあるので詳細は別項(ここここ)に譲ります。登場人物が多く、ストーリーもやや複雑です。場面転換が多いため、時に散漫と言うか集中力が切れてしまうことがあるのですが、今回はMETの新演出で、とにかくスピーディ、全4幕、2幕と3幕の間に休憩が入るほかは、場面の転換のための暗転はなく、回り舞台を使って次々に話が続いていきました。そして、舞台のつくりや衣装も過度に派手になっていないため音楽に集中でき、時間の経つのを忘れて、気がついたらフィナーレ。休憩を入れて3時間半。あっという間でした。

モーツァルトのオペラは独唱、重唱が巧みに組み合わさり、登場人物が丁々発止を繰り広げていくところに大きな特徴があります。特に、「フィガロの結婚」は独唱や重唱に加わる歌手(役柄)が非常に多く、いろんな色の声を堪能することができます。

「フィガロの結婚」はフランスのボーマルシェという劇作家のつくった戯曲がもとになっています。ストーリーからも分かるように、庶民(使用人)が貴族をやり込める内容。フランス革命前に書かれたもので、フランスでは発禁処分に。モーツァルトは大胆にもこの作品をハプスブルク家=神聖ローマ皇帝のお膝元で上演したわけです。脚本を書いたのはロレンツィオ・ダ・ポンテという、モーツァルトと一緒にいくつかのオペラを仕上げた作家。このダ・ポンテの尽力もあり、ウィーンに続いてプラハでも上演して大成功を収めました。

ボーマルシェ作の「フィガロの結婚」は3つの連作の第2話。第1話が「セビリアの理髪師」です。これはロッシーニがオペラ化して大成功した作品で、今シーズンのMETライブビューイングでも来年1月に上映されます。「フィガロの結婚」で登場する多くの人物が「セビリアの理髪師」でも登場しています。ここでは。アルマヴィーバ伯爵が夫人となるロジーナに恋をして結婚するまでのドタバタが描かれています。

12月はこれも有名な
ビゼー:歌劇《カルメン》
です。今回、フィガロ訳を歌ったバリトンのインダール・アブドラザコフがエスカミーリョ(闘牛士)役で歌います。