プリティー・ウーマン

先週、『プリティー・ウーマン』という映画を観に行きました。約20年前の映画です。挿入曲が有名で、映画は知らなくても、この曲を知らない人はいないでしょう。

この数年、映画を観に行く機会が多くなったのですが、「午前10時の映画祭」と題して、過去の名画(洋画ばかりです)を1週間に1本ずつ、毎朝10時に1回だけ上演する企画によく通っております.この辺りでは小牧のシネコンだけでしかやっていなかったのですが、今年から上演期間を2週間にして、名古屋市内の映画館でも上演されるようになったはずです。先週と今週が『プリティー・ウーマン』でした。来週からは『ウェストサイド・ストーリー』です。

さて、なぜわざわざ『プリティー・ウーマン』を取り上げたかといいますと、この映画の下敷きになっているのがヴェルディ作曲の『椿姫(原題:La Traviata)』というオペラで、この映画の中でカップルで観に行くオペラも『椿姫』です。オードリー・ヘップバーン主演の「マイ・フェア・レディ」が下敷きとしている記事もありますが、ちょっと違う気がします.

『椿姫』というオペラはこれまでにも何度か紹介しています(ここ)が、19世紀半ばのパリが舞台で、高級娼婦・ヴィオレッタと田舎から出てきたお坊ちゃんとの儚い恋の物語です。最後はヴィオレッタが結核で死んでしまいます。一方、映画は現代のロサンジェルスを舞台に、ジュリア・ロバーツ演じる場末の娼婦・ヴィヴィアンと、リチャード・ギア演じるニューヨークから来たエリートビジネスマン・エドワードの恋。オペラ同様に、邪魔が入り、ちょっとこじれます。ただ、映画のいいところは、ハッピーエンドであるところでしょうか。

ロスからシスコへ自家用ジェット機で行くのはいかにもという演出です.しかし、ロスにはいい歌劇場はなく、シスコの歌劇場、サンフランシスコ歌劇場はアメリカ3大オペラハウスの一つに数えられる名劇場.従って、わざわざ行く価値があるわけです.

観劇のシーンでは、『椿姫』の第1幕の前奏曲と「乾杯の歌」、ヴィオレッタのアリア「花から花へ」(一部)、第2幕のヴィオレッタのアリア「私を愛して」、そして第3幕終曲のヴィオレッタが息を引き取るところの音楽が使われていました.最後の曲は舞台は写さずに、ヴィヴィアンが涙する様子を写しているだけだったのですが、この曲はいつ聴いても目頭が熱くなります.

映画のラスト、白馬の王子をまねてか白色のリムジンに乗りエドワードがヴィヴィアンを迎えに行き、花束を持ってオープンルーフから身を乗り出し、階段を上っていくところ.ここでもオペラ第2幕のアリアを使っています.

興味のある方はぜひ見較べてください.