フィガロの結婚

今日は平日なのですが、休みをとって(といっても夕方から行きましたが)、オペラの映画を観に行きました.
これまでに、ミッドランドでやっているMETライブビューイングは何度か紹介しましたが、ささじまライブにあるシネコンでも先週からイギリスの歌劇場のオペラ映画をやっています.(
ここです

先週は有名なビゼーの『カルメン』、これはいけなかったのですが、今週はモーツァルトの『フィガロの結婚』をやっています.
どこかの新聞社の調査では日本人の好きなオペラの2番目だそうです(トップは同じモーツァルトの『魔笛』).中世スペインを舞台に、結婚を控えた召使いの女性にちょっかいを出す貴族を、同じ召使いたちがやり込めるという、なんとも皮肉の利いたどたばた喜劇なのですが、聴き惚れるようなアリアあり、笑いありのおはなし.

ライブビューではなく、2006年の上演の録画.ただ、ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウス、通称コベント・ガーデン歌劇場の上演.
かすがに一流の歌手をそろえています.以前に紹介したMETの『ドクター・アトミック』で主役のオッペンハイマー博士を歌ったジェラルド・フィンリーをいうバリトンが、ここではアマルヴィーバ伯爵とう脇役をやっています.
タイトルロール(主役)のフィガロはアーウィン・シュロットという歌手は今のりのりの歌手だそうです.(ちなみに、以前に紹介したアンナ・ネトレプコというソプラノ歌手、来週METライブビューイングでまた歌いますが、彼女の旦那さんです)

全体として、演出・演技、演奏ともに、登場人物の心情を分かりやすく表現しようとしているのでしょう、輪郭のはっきりした分かりやすい舞台でした.

この話は、18世紀後半のフランスのボー・マルシェという作家の3部作の第2話.第1話がロッシーニの『セビリアの理髪師』になりました.登場人物が共通しているので第1話を知っているとより楽しめます.特に、フィガロ同様に貴族の使用人であるマルチェリーナとバルトリの悪巧みや、伯爵夫人が夫の不実を嘆くところなど.

また、このオペラには通称『ズボン役』という、女性(普通はメゾ・ソプラノ)が男性を演じる役があります.ここでも伯爵夫人に恋をするケルビーノという、ちょっとおませな少年で出てきます.彼が舞台では女装するというシーンもあるのですが、その着替えのシーンがカーテンに隠れらがらで、歌詞とうまくあっていて、けっこう笑えます.

原作は完全に『反貴族』、フランス革命につながる内容です.今回の上演は、作品の狙いを「アンチ貴族」と考えながらみてもいいし、難しいことを考えずに現代の感覚で、男女の心変わりの機微を楽しむこともできるものだったと思います.

ちなみに、歌詞はすべてイタリア語、ですからオペラ上演には字幕がつきます.日本の場合には舞台の両側に縦長のディスプレイ、ヨーロッパだとけっこう真四角だったかな? 今回は他の演奏・映像と比べて、観客の笑いが多かったので、実際の字幕がどのようにでてるのか興味がわきます.

今週の土曜日からミッドランドシネマでMETライブビューイングとして、ドニゼッティというイタリアの作曲家の『ランメルモールのルチア』という作品が上演されます
(ここ).主役のルチアは、上で名前を出したアンナ・ネトレプコ.ロメオとジュリエットのような悲劇です.終盤にあるルチアの延々15分以上に及ぶアリアが聴きもの.ソプラノ歌手にとって難曲中の難曲だそうです.映画としてはちょっと高いですが、ぜひ視に行ってみてください.